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放射能・放射線の種類 [放射能被ばく対策]

3.放射線の種類
 一口に放射線といっても、その種類は様々です。放射線とは、不安定な原子核や、核分裂などの核反応によって放出される、高エネルギーの粒子線の総称なのです。
 この粒子とは、主に素粒子の事を指しています。その素粒子には陽子、電子、中性子などの種類があり、これによって放射線の性質が変わってきます。
 放射線を大きく分類すると、一つは自然か人工かに分かれます。粒子加速器や原子炉などで発生する放射線を人工放射線、宇宙から来る宇宙線やウランなどから発生する放射線を自然放射線というのです。
 また、別の分類では、プラスやマイナスの電荷を持っているかどうかで、分類されます。電荷を持つ放射線を荷電粒子線といい、α線、β線などが、これに当たります。電荷を持たない放射線は非荷電粒子線と呼ばれ、X線、γ線、中性子線がこれに当たります。
 次に、各放射線の説明をします。

α線
 荷電粒子線の一つで、プラスの電荷を持っています。α崩壊の時などに放出され、その正体は陽子2個と中性子2個からなる、ヘリウム原子核です。
 α線は他の放射線に比べて大きい上に電荷を持っているため、他の原子の影響を受け易く、空気中でも数cmしか進む事ができません。その為、体外から被爆する事は、ほとんどありません。問題は、体内に入り込んでしまった時です。

β線
 中性子の数が大きく不安定な原子は、中性子を陽子と電子に分離させ、電子を放出する事によって安定しようとします。これがβ崩壊です。この放出された電子がβ線で、マイナスの電荷を持っています。
 このβ線も電荷の影響で、空気中で最大10m程度しか進む事ができません。これも、怖いのは体内被曝を起こした時です。

γ線
 γ線とは、光と同じ電磁波(光子)です。光は波長が短くなるにつれ、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫と色を変え、紫よりも更に波長が短くなると「紫外線」になります。γ線は、この紫外線よりも更に波長が短く、高エネルギー状態の電磁波なのです。
 γ線は、放射性物質の自然崩壊などにより発生します。また電荷を持っていません。

X線
 このX線は、γ線と同じく電磁波になります。1895年にレントゲン博士によって発見されました。
 γ線との違いは、発生方法と波長になります。γ線は自然に発生し、放射性物質によって特有の固定された波長の電磁波になります。しかしX線は、高速の電子を金属にぶつけて発生させる人工的なもので、様々な波長の電磁波が混合されています。
 発見者であるレントゲン博士の名を見ても判るように、医療に大きく貢献しています。

中性子線
 核分裂などによって発生する、高速の中性子が中性子線になります。これも電荷を持っていません。
 電磁波であるγ線やX線は、原子とぶつかると電子に吸収されます。しかし中性子は直接原子核にぶつかり、核分裂反応などを引き起こします。
 中性子は人体に当たっても、細胞に直接的な損傷を与える事は、ほとんどありません。ですが水素にぶつかると、陽子を弾き飛ばして電離を起こし、様々な障害を誘発させる元になります。人間の体の70%は水であり、水素は大量に存在しています。従って、中性子線はγ線よりも性質が悪い放射線ともいえます。


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